Cut0 Blog

Open Hack U で入賞できなかった話 〜体験記〜

はじめに

Open Hack U というハッカソンに参加しました。
今回はその概要や感想を記事にしようと思います。
※技術的な話は下記の次の記事で取り上げさせていただきます。
https://cut0-blog.vercel.app/mqzumsfqhrgl

Open Hack U とは

ヤフーが主催するものづくりのコンテストです。2~6名のチームを組んでソフトウェアやハードウェア問わず、好きなものを開発することができます。もともとオフラインでの開催予定でしたが、オンライン開催に変更されてしまいました。
https://hacku.yahoo.co.jp/2022/

チームメンバー

きっかけ

そもそものきっかけは2年前に参加したアフターコロナハッカソンにまで遡ります。そのハッカソンではチームがランダムに組まれて、初対面のメンバーで開発を行うことになりました。結局、そのハッカソンで賞を取れず悔しい思いをしました。

メンバー①メンバー②

2年後、、、

仲良くなったメンバー3人がリベンジを果たすべく、1人ずつ知り合いを誘って完成した6人チームで参加したのが今回のハッカソンです。

チーム名

「理科美術大学」というチーム名で参加しました。チームメンバーが理科大生4名(機械工学科2名、情報工学科2名)、多摩美生2名だったので、そこから取ってきた安直なチーム名です。

チーム構成

チームはそれぞれの得意分野を考慮して3つの班から構成されています。

  • ソフトウェア班 (2名)
    私はここに所属しておりました。今回は Web アプリケーションベースのプロダクトだったので、Web フロントエンドとバックエンドの開発を行いました。

  • ハードウェア班 (2名)
    今回はハードウェアも必要なプロダクトだったので開発していただきました。私は詳しくないので詳細な説明はできないのですが、基盤の設計や配線、音声再生などをやっていただきました。

  • デザイン班 (2名)
    UI デザインや目覚ましのデザイン、スライドのデザインをやっていただきました。UI のデザインは Figma 上で行っていただいたためとても助かりました。また、プロダクトで使うぬいぐるみも手縫いしていただきました。

開発期間

開発自体はハッカソン期間 (8/29 ~ 9/10) で行いましたが、7月頃からたくさんの打ち合わせを重ねました。

ハッカソン前

主に顔合わせと技術的な検証、ミーティングをしました。

顔合わせ

チームメンバーの章で話したとおり、初対面のメンバーもいたため顔合わせを行いました。肉を食べて、脱出ゲームをしました。

脱出ゲームの記念撮影です。一人後付です。

ミーティング

主にどのようなプロダクトを開発するかについて議論しました。miro を使って白熱した議論を重ねました。
当初は自由なアイデアを出すために技術的実現可能性は考慮せずに行い、ハッカソンが近づくに連れ、技術的な話や評価項目を組み込んだミーティングをおこないました。


miro 上での白熱した議論です。

検証

ソフトウェア班では技術選定と音声再生で利用する API の調査を行っていました。ハッカソンまでは開発してはいけないルールだったので、利用する技術の公式ドキュメントを読んだり、スケジュールの管理をしたり、簡易的な検証を行ったりしていました。

ハードウェア班と連携して Cloud Storage 上にある音声をハードウェアで再生できるのかの検証も行いました。

前半

デザイン班が UI を作成する必要があったため、先にサーバーサイドの開発を行いました。ハッカソン前にあらかじめ必要なエンドポイントを定義していたためスムーズに開発できました。

とはいえ、2週間で2人が開発する量ではありませんでした。そのため、1980円ホテルというホテルに10日ほど泊まりこみ、ひたすら開発し続けました。
寝ても覚めても頭の中でコードが回っていました。

学生は一泊1200円くらいで泊まれます

3回くらい行ったホテル近くのカレー屋です。常連です。

屋上で作業することもできました。

後半

デザイン班の UI があらかた完成したため、クライアントサイドの開発に移りました。私自身、クライアントサイドの開発には慣れていたため、大きく躓くことなく開発することができました。

余裕があったため、デザイン班と UI について話あったり、実機での検証を行ったり、パフォーマンスやアクセシビリティの向上を目指して開発をしていました。
また、ハードウェアの開発がしんどそうだったので微力ながらお手伝いさせていただきました。

そんなこんなしているうちに、結局徹夜していました。
40時間くらいぶっ通しでコードを書いていたかもしれません。

発表で使う動画の撮影では飛び入りで参加していただいた美大生の方に手伝っていただきました。めちゃくちゃ助かりました。

このときはすでに 1980円ホテルを脱出しており、ハッカソンのメンバーの家にこもってチーム全員で開発していました。餞別としてモンスターを一箱持っていったのですが、2日ほどで全部無くなっていました。



ハードウェア班が奮闘しています

後日

ハッカソンではタイトルの通り賞が取れなかったため、たくさんお酒を飲んでカラオケしてダーツしました。
とても楽しかったです。久々にはしゃいでしまいました。
翌日は疲れで午後8時くらいまで寝ていました。
ヨギボーがとても気持ちよかったです。

ヨギボーに吸い込まれています

つくったもの

NewMo! というプロダクトをつくりました。

https://hack-u-2022.web.app/
※ Heroku の無料プランを利用しているため、ローディング時間が長いです。

コンセプト

「NewMo!」という名前の通り、既存の目覚まし時計では起きられないユーザーに「新しい朝 (New Morning !)」を提供することを目標としております。

概要

NewMo! を端的に説明すると、自分の声で全く知らない他のユーザーを起こしたり、全く知らない他のユーザーの声で起こされたりするプロダクトです。
早朝に赤の他人の声が部屋中に鳴り響くことにより、朝弱い人を救済しようと考えて開発しました。

  • 起こす側
    • 自分の音声を登録すると、ランダムなユーザーの目覚まし音声となる
    • 起きる側のユーザーが指定した時刻に自分の音声で起きることができたらポイントが加算される
  • 起きる側
    • 目覚ましを登録すると、ランダムな起こす側の音声が目覚まし音声として登録される
    • 指定した時刻に起きられたらポイントが加算される
    • 目覚ましの音声にレビューを送ることができる

ポイントを利用して何かできたらよかったのですが、ハッカソンの期間では厳しいという結論になりました。
そのため、ユーザーのポイントランキングや音声のレビュー数ランキングの機能を開発しました。

目覚まし設定画面音声画面
ランキング画面プロフィール画面

利用手順

  1. 目覚ましを起きたい時間にセットする
  2. 充電台から3つのぬいぐるみを外して部屋のいたるところに設置する
  3. 朝を迎える
  4. 「起こす側」の音声が3つのぬいぐるみから鳴り響く
  5. ぬいぐるみを3つを拾って充電台に戻すことで音声を止める(ここのタイミングでポイントの判定が行われる。)
  6. 快適な一日を過ごす

↓発表の様子です。こちらを見たほうがサービスのイメージがつくと思います。
https://youtu.be/Q8IIKD83BP8?t=4858

↓展示会の様子です
https://youtu.be/Q8IIKD83BP8?t=10160

結果

入賞すらできませんでした。結構力を入れて開発しただけに悲しかったです。
ハッカソンだったので発表の際に技術的な説明を加えたり、展示会のときの立ち回りを工夫したりと開発以外の面にも力を入れるべきだったのかも知れません。
とはいえ他のチームより技術力が劣っているとは思わなかったので、そこは自信を持ちたいと思います。

以下フィードバックとなります。結構良いフィードバックだったので何かしらの賞がほしかった、、、

審査員フィードバック

"目覚ましをいろんなところにばらまくという発想や、「自分が起こす人になって知名度を上げることができる」というユニークさが高評価でした。
少し「絶対に起きたい」のか「楽しく起きたいのか」というコンセプトのブレを感じてしまったので、そこが非常にもったいないなと思いました。"

世界観が統一されていて、全てぬいぐるみも手作りといったところでこだわりが見えて良いなと思いました。お疲れ様でした!

プロダクトの完成度が高く非常に良い作品だと思いました。ぬいぐるみまで手作り、デザイン観点でも担当者が世界観をきちんと考えておいて非常に面白いと思いました。




コミュニケーターフィードバック

"地球外生命体というコンセプトが可愛くて素敵だなと思いました
地球外生命体がイケボやかわいい声を出しているところを想像すると、シュールで面白いです。
可愛い地球外生命体のために起きたくなりそうです"

"アラームの音に慣れてしまうというのは、確かに!と思いました。音を変えられるだけでなく、NewMoを所定の位置に戻さないといけないという機能があるので、確実に起きられそうですね。
NewMoのコンセプトが面白く、しかもとっても可愛いので、ぜひ市場公開目指して頑張ってほしいなぁと思います!"

スライド、作成物のデザイン性がとても高く学生の発表とは思えませんでした。サービスのテーマ、デモ動画、実際のハードウェアの作成など、全てにおいて完成度がとても高く素晴らしいです。技術力もしっかりしていて、すぐにでもサービス化してほしいと思いました。短い開発期間にここまで仕上げられたこと、脱帽です。

"NewMoの名前などキャッチ―でよいです。デモわかりやすかったです。
地球外生命体が起こしてれる発想がかわいいです。
ソフトやハードの説明がもう少し掘り下げてあるとよかったです。"

起きれないという明確なペインポイントに対して、面白いアプローチでIoTを使ったサービスになっており実用性も高い気がします。プレゼンのビデオも良くできており、わかりやすい内容になっていました。

"すごく実用的なサービスだなと思いました。
地球外生命隊が起こしてくれるというコンセプトも良いなと感じました!
デモも面白かったです。"

コンセプトが面白く、ユニークな発想で実現できていて素晴らしいと思いました。

"プロダクトがとても可愛らしく、世界観があったのがとても良いと思いました。
そのまま商品として並んでいても違和感がないと感じます。
行動しないと目覚ましが止まらない点も、起きるという目的が解決できていて良いと思いました。"

とってもかわいいのでリアル開催で見てもらいたかったですね。技術的にも役割分担して、それぞれしっかりと作り込まれていてすごいチームだなと関心しておりました。プロダクトとしては、慣れないことにくわえてバラバラに置くのがめんどくさいとか、(朝はできるだけ寝たいという弱い自分に負けて)一箇所に置いてしまうという課題も解決できると良かったのかもしれませんが「慣れない目覚まし」という着眼点は素晴らしいなと思いました!

"作品の世界観にこだわって制作物の完成度も高いものでした
実際に触ってみたかったです
オンライン開催になってしまったのが非常に残念です
利用者側がログインせず目覚ましの登録ができるようになったほうが利便性がよいと思います
目覚ましの提供者は自分の音源が利用さたらポイント追加などのメリットがあると投稿するモチベーションが上がりそうです"

せっかく専用のハードウェアになっているので、音以外の要素も盛り込めると面白いと思いました!

自分も朝苦手なので、気分よく確実に起きれる方法を探っているので作品に共感しました!

感想

入賞はできなかったものの、自分の能力向上をはっきりと意識できたハッカソンでした。
技術的に成長したのはもちろんのこと、技術選定やスケジュール、タスクの管理もうまくいったため、ソフトウェアの開発は全体的に余裕を持てました。
少なくとも2年前のアフターコロナハッカソンよりは確実に成長できていたのでうれしかったです。
とはいえ、自分の専門以外の領域であるハードウェアの進捗を追えていなかったのは問題なので今後は他のメンバーの進捗まで管理できるようになりたいです。

ハッカソン全体を通して、なによりこのチームメンバーで開発できたのがとても楽しかったです。仲の良いメンバーで行う開発ほど楽しいことはないと思いました。来年から社会人になってしまいますが、またこのメンバーで開発したいと思います。
大学生らしくはないですが、大学生生活最後の夏は (実際死にかけたけど) 死ぬほど充実していたと思います。